「サリドマイド」に対する催奇形性原因タンパク質の発見に当社製品が活用されました
カテゴリ: お知らせ
作成日:2021年01月22日(金)
当社の戦略的技術パートナーである愛媛大学プロテオサイエンスセンターの山中聡士 特定研究員と澤崎達也 教授らなど、複数の大学・研究機関からなる共同研究グループは、当社のコムギ胚芽抽出液を使用して作製された約1,100種類から成るヒトプロテインアレイを用いて網羅的な探索をした結果、「サリドマイド」の催奇性を引き起こす原因タンパク質を発見しました。
「サリドマイド」は、半世紀以上前に妊婦の睡眠導入剤として使用されましたが、胎児の重篤な催奇性を示し、薬害問題を引き起した歴史的背景があります。しかしその後、ハンセン病や多発性骨髄腫に対する薬効が認められ、現在では厳格な安全管理のもと、多発性骨髄腫などの血液がんに対する治療薬として年間約1兆円規模で使用されている非常に有効な薬剤です。薬剤の安全面から催奇性を回避した新たなサリドマイド誘導体の開発が重要な課題となっており、本研究は今後の開発において重要な位置付けになることが予想されます。